今回は、わたしと妻・かおりとの出会いについてお話ししたいと思います。
当時、わたしは禅の老師のもとで修行をしており、そこにはたびたび、真剣に道を求める女性たちが訪れていました。その中の一人が、後にわたしの人生の伴侶となる、かおりでした。
彼女と初めて出会ったのは、彼女がまだ二十代後半の頃。大きな瞳と整った顔立ちを持ち、穏やかで上品な佇まいの女性でした。控えめでありながらも明るく、話し方には優しさと品が滲んでいました。
初対面のとき、わたしは彼女にこう尋ねました。
「いつから坐禅を始めたのですか?」
すると彼女は、
「二十三歳ごろからです」と答え、続けて、
「初めて坐禅をしたとき、自分の肉体が天井近くまで浮き上がったんです。本当にびっくりしました」と話してくれました。
そのときの彼女の表情には、いま思い出しても信じがたい…といった驚きが滲んでいました。
わたしは直感的に「これは幽体離脱の体験だ」とわかりました。
彼女と会話を重ねるうちに、わたしは次第に確信を深めていきました。
この女性は、過去世においても深い修行を積み重ねてきた魂だ。
そして、すでに人生の本質に触れている存在なのだと。
不思議なことに、これまで出会ってきたどの女性よりも、彼女とは深く通じ合える感覚がありました。彼女の存在は、わたしの人生に新しい風を吹き込み、未知なる可能性を開いてくれる……そんな強い予感がしたのです。
後日、かおりが打ち明けてくれたのですが、彼女はわたしと初めて出会った瞬間に、
「この人と結婚する」
と直感したそうです。
そしてその直感に迷うことなく、わたしたちが出会ってからわずか二週間後、彼女は東京からわたしの住む町へと引っ越してきました。アパートもすぐに見つかり、まるで導かれるように入居を決めたのです
。
「どうしてそんなに急いで越してきたの?」
と尋ねたとき、彼女は静かに、しかし確信に満ちた声でこう答えました。
「原田さんは、過去世でも長い時間をかけて坐禅をしてきた方だと思います。わたしは、そういう人と一緒に坐禅がしたいんです。それに、真に悟った師を探しています。原田さんとなら、その師匠に必ず出会える気がするんです。それなら、一日でも早いほうがいい。そう思って引っ越しました。」
その言葉には、揺るぎない決意と魂の深い確信がありました。
その瞬間、わたしの中ではっきりとわかったのです。
わたしたちの出会いは、今世だけのものではない。
遥か昔から続く魂の縁によって、またここで巡り合ったのだと。
